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zoom RSS 15) 『百年の愚行』 Think the Earthプロジェクト

<<   作成日時 : 2006/07/04 00:17   >>

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「愚行」である。
誰の愚行であるか。わたしたち人間のそれである。富める国の傲慢な国民の一人であるわたしのそれである。

20世紀の地球を振り返る100枚の写真。環境汚染、大量生産・大量消費、乱獲乱伐、戦争、差別・迫害、貧困などの面からわたしたちの愚かさを、わたしたちが発明した映像によってこれでもかと見せつけられる。

正直なところ読むのが非常につらかった。
わたし自身の無関心を一枚一枚の写真に告発されるかのような気がした。地球はこんなにも傷つき、悲鳴をあげている。そこに暮らす人間たちもまた。

政府や学者先生たちは経済成長がどうしたこうした、「画数の多い漢字がいくつも並ぶような言葉を肩肘張って喋ったり書いたり力こぶをつくって何々的何々を何々的何々化するならばなどと脂ぎった言論」を行っているけれど、そんなものがいかに嘘っぱちか本書を見ればよくわかる。
「資源エネルギーは永久になくならない」という前提で年何%の経済成長率が見込めるだの下方修正だのそんなの馬鹿馬鹿しくて話にならない。
あんな茶番を本当に多くの人が信じているのだろうか。真に受けているのだろうか。まさかそんな。
なんだかとんでもない猿芝居に付き合わされている気がしてならない。

そういうわたしも消費という欲望に憑かれた現代人の一人である。
わたしは禁欲主義を信じない。もっとも、禁欲主義は快楽主義の変奏なのだけれど。
禁欲的で善良な人間は、他人がそうでないことに腹を立てたりドグマを押し付けたりしてきてやりきれない。電力消費量が上がって地球の温暖化が進むからという理由で、ステレオでキース・ジャレットを聴くのを止めようとは思わない。傲慢だなあとわれながら思う。でもしょうがない。わたしは平凡で、弱い人間だから。

本書を読んで二つの矛盾した感想を抱いた。
ひとつは、我々人類の愚かさに気付き、地球をこれ以上痛めつけるのはやめようという賛同。
もうひとつは、かといって現代は発達した技術の上に成り立っているのだから今更それらを捨てることなど出来る筈がない、現代人に出来るのはこの時代をその果てまで生きることだけではないのかという反発。

矛盾するがどちらもが偽らざる読了後の感想。
核廃棄には断固賛成。遺伝子操作もやめて欲しい。単純に気持ち悪いから。でも、クルマもパソコンももっちゃ駄目となるとそれはできそうもない。わたしは超人でも老荘思想の信奉者でもないので。

しかし賛同するにせよ反発するにせよ、多くの人に読んで欲しい一冊であることに変わりはない。それも出来れば購入してほしい。図書館で借りたのではその場限りで終ってしまうだろう。これらの愚行は21世紀に生きるわたしたちがこの先も何度となく考えねばならない問題(の萌芽)ばかりだから、いつでも手に取れるよう手許に置いておくべきだと思う。2400円は少ないお金ではないが、本書はその価格以上の価値があると思う。

最後に、本書に寄稿した池澤夏樹のエッセイから。
環境の悪化を前にして奇跡の援軍を待っていてはいけない。自分自身の知恵で、窮地を脱する算段をしなければならない。


なおThink the Earthプロジェクトのサイトも一度ご覧になることをおすすめする。
(Think the Earthプロジェクト)

4901818007百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]
池澤 夏樹 アッバス・キアロスタミ フリーマン・ダイソン
Think the Earthプロジェクト 2002-04-22

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人間の原罪を感じる一冊。資本主義社会の罪深い部分が垣間見える。私もご多分に漏れず、加害者の一人。だから、自分の行動を、顧みなくちゃ。と思う転機となった。 ...続きを見る
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