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zoom RSS 40) 『読書術』 加藤周一

<<   作成日時 : 2006/08/20 02:55   >>

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おもしろい読書でした。そうしてためになる読書でした。さすが加藤周一さんです。明晰に、平易に、中学生でも分かる書き方(実際は口述だったそうですが)で「読書する術」を伝えてくれます。

30年以上前の本ですがまったく古びていません。本を読むというそれだけのシンプルな技術が内容です。時代の影響など殆ど受けないでしょう。むしろ、新刊ラッシュの現代にはより有効になっているかもしれません。

ありがちな「速読」「精読」のほかにも、本を読まずに済ます読書術や、むずかしい本を読む読破術というのも紹介されます。とくに後者はなかなか興味深い。要するに難しくて分からない本は読むなということをいっていて、それはそれで同感です。分からないということは少なくとも今は必要な知識ではないということだから。

でも、読んでいくうちに理解が増すということもあるものです。また、難解な本と取っ組み合っているうちに読解力がつくということもあります。だから著者の意見を敷衍して「たまにはむずかしい本も読もう」とわたしなら言うでしょう。実際、何年か後に本棚の奥にある以前挫折した本を開いてみてすらすら読めるということもあるものです。これは読解力というより人生の経験を積んだせいかもしれません。良書の定義は曖昧ですが、読み手に合わせて様々な顔を見せる本といえなくもないでしょう。

「十年千冊。」というブログの管理人がいうのも妙ですが、わたし自身多読には懐疑的です。たぶんわたしは感傷家だから、たくさん読むことより読み返すことのほうが好きなのかもしれません。出会いより、再会のほうが好きなのかもしれません。
それと、先日立ち読みした写真の雑誌で見た、「わしはこの文庫をいつも持っている。この一冊があれば新しい知識など必要ない。ここにすべてが書かれてあるから」と書き込みがびっしりされた、黄ばんだ杜甫の詩集を持っていた新潟の老漁師の写真を見て感嘆したというのもあります。

なんなんでしょうね本を読むって。
考えるとなんだかわけが分からなくなりそうです。


まあともかく。
本書はかなり広範囲の本好きの方におすすめできます。文芸書以外の本の読み方ももちろん載っています。有名なショーペンハウアーの読書論より実践的でもあります。(個人的には彼の読書論よりプルーストのそれの方が正鵠を得ていると思いますが)
(岩波現代文庫)

400603024X読書術
加藤 周一
岩波書店 2000-11

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