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zoom RSS 『記憶力を強くする』 池谷裕二

<<   作成日時 : 2007/03/22 23:38   >>

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最高の一冊。老若男女を問わず読むべき本。というか、この本を読むと読まないとでは人生の質がぜんぜん違ったものになってしまうのではないだろうか。これぞ、Dainさんいうところの「スゴ本」なり。本書を読まなかったら人生大損しますよと真剣にいいたい。本当は内緒にしておきたいくらいだ。

著者は東大、東大大学院に主席で進学した新進気鋭の薬学者。脳科学研究の「いま」の現場がどうなっているのか、そこでどれだけこの未知の領域が明らかになってきたのかを一般向けに、ときに卑近な例を挙げつつ分かりやすく丁寧に書いている。

「記憶力」というと暗記する能力のことと思ってしまいがちだけれど、実は記憶には幾つかの種類、段階がある。子供の頃は丸暗記に適した「意味記憶」の能力がすぐれているが、大人になると論理だった記憶能力が発達してくる。
よくいわれているように20歳を過ぎると脳細胞がどんどん死んでいくのは事実だが、かわりに神経細胞のつながりであるシナプスは歳とともに増えていく。もともと脳細胞は使い切れないほどあるので、それがどんどん死んでいくということはまったく気にしなくていい。

そして脳は使えば使うほどパワーアップしていく。使うほど消耗していくパソコンとは正反対に。
大人になると子供の頃のように丸暗記はできなくなるが、論理だった記憶力は増すので勉強方法をシフトして、たとえば語呂合わせのようなやり方で勉強すれば子供の頃と同じように物事を覚えることができる。「歳のせいで記憶力が衰えた」というのは科学的には間違っている、というわけ。
わたしは本書の記憶法を学んで、円周率を3.14159265358979と小数点以下14桁まで覚えることができました。本書を読めば、誰でもこれを記憶できると思います。やり方は読んでのお楽しみ。

以下は要点の抜粋。

●記憶データを扱う海馬のはたらきには情動を司る扁桃体が関わっている。そのため、対象に「子供のような」興味をもつことでより効率的に記憶することができる。「好きこそものの上手なれ」というのは本当の話。

●刺激の多い環境にいると、神経細胞の数が増加する。

●ものごとの習得においてもっとも大切な心得は努力の継続。努力と成果は比例関係ではなく累乗関係にある。何事も継続していけば必ず効果は現れる。つまり、誰でも天才になれる。


「「天才」とは、努力が足りない凡人の妄想によって作られた言葉です。この言葉にだまされてはいけません」と著者は断言する。なんて勇気を与えてくれる言葉だろう。同時に、自分の脳が、身体がたまらなくいとおしくなる。こんないい本を誰もが買って読めるようにしてしまっていいのかしらん。

ひとつ注意しておくべきなのは、本書の内容はタイトルよりむしろサブタイトルの「最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」のほうが適当だということ。脳の機能、仕組みについての記述部分が大半を占めている立派な「科学書」であることは留意しておいていい。暗記法についてのハウツー本ではないですよということ。といっても平易に書いてあるので、中学生以上なら楽しく学べることうけあいです。わたしの本は赤線だらけになってしまいました。

本書読了後、池谷さんと糸井重里さんの対談集『海馬 脳は疲れない』(新潮文庫)も続けて読んだ。こちらもかなりの面白さだったが、脳の機能等についての説明部分は弱いので、まずは本書から読んだほうがよいかと思います。

それにしてもよい読書だった。こういう本だけ読んで生きていたい。
(講談社ブルーバックス)

4062573156記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方
池谷 裕二
講談社 2001-01

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4101183147海馬―脳は疲れない
池谷 裕二 糸井 重里
新潮社 2005-06

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