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zoom RSS 『読書の腕前』 岡崎武志

<<   作成日時 : 2007/05/31 21:45   >>

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猫のゆりかごさんの[積読日記]で紹介されていたのでさっそく読んでみました。教えていただきありがとうごさいます。
で、感想。
いやあ、とてもよかった。一気読みしてしまった。本が好きなひとは読みながら「そうそう!」とか「わかるわかる!」と思うところが多いのではないだろうか。巻末にはおすすめ本のリストが付いているのでお得感もある。

「三度の食事をするように本を読んできた」と著者は豪語する。本当に本が好きで好きでたまらないことが伝わってきて、読んでいて幸せな気持になる。積読の効用、仕事で書評を書く大変さ、ベストセラー本を読むべき時期などについて述べたあとは、年間3000冊増え続ける蔵書の管理、古本屋めぐりの楽しさ、さらには本を読むための旅行など、徐々に内容はディープさを増していく。著者自身の読書遍歴について述べた第六章では、わたしが初めて図書館で借りた、ポプラ社の『少年探偵団』シリーズに言及していて嬉しかった。懐かしいなあ。放課後、いかにも古めかしい表紙をした、ヤケだらけの『青銅の魔人』をランドセルに詰めて、家路を急いだ夕方の通学路の情景が不意にありありと思い出されて、思わず泣きそうになった。このポプラ社のシリーズは累計1300万部刷られ、一億人が読んだといわれているそうでびっくり。ちなみに、わたしの通っていたこの小学校は少子化の影響で取り壊され、今はもうない。モノは壊れても、思い出は消えない。

著者は1957年生まれ。学生のころはインターネットなんてない時代だから、文庫の目録や解説等を参考に読む本を探したという。また、身近に本の話をする友人もなかったので、読書は一人きりの楽しみだったとも述べている。本は一人で読むものなのに変わりはないとしても、インターネットがある現在なら検索にかけるだけで膨大な読書関係のページに瞬時に行って情報を得られるし、ネット上で本好きな人と会話をすることもできる。もしインターネットがなかったら、わたしなんて今以上に限定的な読書しかできなかっただろうし、周囲には本の趣味の合う友人もいないので、今よりもっと孤独だったろうな、つまらなかっただろうな、と思う。一人が寂しいというのではなくて、話ができないのがつまらないだろうなと思うのだ。自分の好きなこと/ものについて、誰かと話したいというのは自然な欲求でしょう?

そう考えると、今はなんていい時代なんだろう。物知りなひとのところで新しい情報を得たり、「これ面白いよ」と教えたり教えてもらったりが簡単にできるのだから、こんないい時代はない。現代に乾杯!

そして、以下のような素敵な文章を書いてくれた岡崎さんにも乾杯しよう。
読書に費やしたこれまでの膨大な時間を、もっと別の有意義なものに置き換えられなかったのか。そんなふうに悔やんだことは一度もない。一度もない、といま気づいたことに驚いている。ほんとうに、一度もないのだ。そうして生きてきたのだ。だから、明日からも同じように生きていく。


かっこよすぎです。


4334033946読書の腕前
岡崎 武志
光文社 2007-03

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「読書の腕前」岡崎武志 を読んで。
読書の腕前 (光文社新書)岡崎 武志 書評家の岡崎武志さんが「読書」についてあれもこれも書いた、内容盛りだくさんの本です。 もくじ第1章 本は積んで、破って、歩きながら読むもの 第2章 ベストセラーは十年後、二十年後に読んだほうがおもしろい 第3章 年に三千冊増えてい.. ...続きを見る
そういうのがいいな、わたしは。
2007/09/21 00:41

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、トラバありがとうございます。さっそく読まれたんですね。早っ。私もこの本、巡回先のブログで教えてもらったんです(^^)v
>「これ面白いよ」と教えたり教えてもらったりが簡単にできるのだから、こんないい時代はない。現代に乾杯!

激しく同感です。私など周囲に本を読む人がほとんどいないので、インターネットがなかったら欲求不満すぎて今頃もう死んでます(笑)
「積読の効用」の章では「私は正しいことをしていたんだ」と胸をなでおろせましたし、ほんと、楽しい本でした。
猫のゆりかご
URL
2007/05/31 22:00
>猫のゆりかごさん

こんばんは。
缶ビール飲みながら記事を書いていたので乾杯しちゃってますね…。

冒頭の『桟橋で読書する女』の話からぐいぐい引き込まれました。いいなあ、とうっとり。
積読も読書のうち、という指摘にはわたしもホッとしました。誰だって買うときは読むつもりで買うのだから、多少ほったらかしになっていても気にする必要なんてないんですよね。また、「まずは質より量」というのも頷けました。こういう「本好きによる、本についての本」って楽しいですねえ。

教えてくださった猫のゆりかごさんに感謝です。ありがとうございました^^
epi
2007/06/01 19:59

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