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zoom RSS 『ヒストリー・オブ・ラヴ』 ニコール・クラウス

<<   作成日時 : 2007/06/09 01:36   >>

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かつて、ある一人の少女のために書かれた『愛の歴史』という名の物語が、国境を越え、時代を超え、何人かのひとたちの運命を少しずつ変えながら、半世紀以上を経て小さな奇蹟を起こす。
この小説が好きだというひとをわたしはきっと好きになるだろうし、わたしの好きなひとにもこの小説を好きになってほしい。

内容についてとやかく書く気がしないのは、未読の方の楽しみを奪いたくないから。ちょうど本文に、わたしの率直な感想を代弁するかのようなくだりがあった。
この本については何と言っていいかわかりません。ただ、言えるのは、感動したということだけです。人が本を読みはじめるたびに、できればこんなふうに感動したいものだと思っているようなかたちで。


ときおり通る車の排気音のほかにはしんと静まり返った深夜の川辺に並んで腰かけている恋人の声を聞くように、布団の中にいる幼いわたしと並んで横になった、まだ若かった母がしてくれた思い出話を聞いたように、わたしはこの小説を読んだ。やさしいユーモアに溢れた叙述は心地よい音楽のようで、その余韻に耐えきれず、心を落ち着かせるために、読んでいる最中幾度か本を閉じねばならなかった。

これも本文からの引用になってしまうけれど、もしわたしに書くことができたなら、こういう物語を書きたかった。

村松潔 訳(新潮社)

4105054317ヒストリー・オブ・ラヴ
ニコール クラウス Nicole Krauss 村松 潔
新潮社 2006-12

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
『ヒストリー・オブ・ラヴ』素晴らしい小説ですよね。
私もすみ&にえさんのところで知って読んだのですが、想像していたのと全く違っていて、でもほんとにしみじみと染み入るような小説で、出会えてよかった…と思いました。

epiさんが紹介されている本がとても私好みなものが多かったです。これからも参考にさせていただきます。
よろしくお願いします。
りつこ
URL
2007/06/14 14:34
>りつこさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
おお、りつこさんも「すみ&にえ」さん経由でしたか。

>想像していたのと全く違っていて

たしかに、タイトルや装丁を見るとちょっと微妙というか誤解を招きそうな感じですよね。やたらと甘そうな。しかし実際に読んでみると、まさに「しみじみ」という言葉のぴったりくる、ビタースイートな味わい(?)なのでした。ちょっと早すぎですが、これは今年読んだ小説のベスト候補のひとつです。

「りつこの読書メモ」をさっそく拝読しましたら、わたし好みなものがリストのところにずらっと並んでいて嬉しかったです。イシグロやマクラウドはそのうちにと思って未だ未読…(^^;)
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
epi
2007/06/14 20:03

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