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zoom RSS 『影響力の武器』 ロバート・B・チャルディーニ

<<   作成日時 : 2007/06/14 12:25   >>

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なぜ、ひとは高価なものほどいいものだと思ってしまうのか。
なぜ、ひとは行列のできる店に並ぶのか。
なぜ、ひとは「数量限定」や「限定生産」の言葉に弱いのか。
このような疑問に社会心理学の見地から答えてくれる面白い本。わたしたちが日常生活のなかで、どれだけろくに考えもせず、他人/周囲に自動反応して生きているか、それが無害な場合なら何の問題もないが、悪意をもってわたしたちを利用しようとする敵が現れたときにはどれだけ危険かを平易に説く。

自ら「セールスマンの言うままになることが多かった」と語る著者が、人間が周囲から受けている影響力を6種類に分類して、それぞれについて簡潔に述べる。

●返報性……他人に何かしてもらったら、自分もお返しをしたくなる。
●一貫性……自分は正しい選択をしたのだと自分自身に信じ込ませようとする。
●社会的証明……他人が何を正しいと感じているかに基づいて物事の善悪を判断する。
●好意……美男美女や、自分と似たひと、またお世辞を言うひとに対しては(自覚している以上に)好感を抱きやすい。
●権威……「大学教授」や「医者」といった権威の言うことは正しいと思いがち。
●希少性……レアといわれるとつい飛びつきたくなる。

さらに詳しくは本書にあたっていただくとして、わたしは本書を読んで、自分の周囲の「影響力の武器」についてずいぶん気づいた。
ユニセフからの募金のお願い(名前が印刷されたシールが同封されている)には「返報性」が、宝くじを買うと不意に当たりそうな気がしてくるのは「一貫性」が、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」は「社会的証明」が、お世辞と分かっていても持ち上げられると気持よくなってしまうのは「好意」が、書評で高評価の本は読む前から「いい本」と決めてしまいがちなのは「権威」が、かつて「牛丼がなくなる!」と聞いて吉野家にできた行列については「希少性」が、それぞれ影響していたのかもしれないと思い、いかに自分/他人がこの武器にやられていたのか、無防備でいたのか、あらためて知る思いだった。また、怪しいセールスマンがこの本の中の手口をどれだけ利用しているか、思い当たる節もあった。著者は、影響力の武器について述べることで、影響力から身を守る防具についても述べている。だから、ついつい騙されがちな善良な方にはぜひ一読をおすすめしたい。「振り込め詐欺」や怪しい投資など、日常には危険がいっぱい。自分の身は自分で守らなくてはなりません。

少し前になりますが、JR北陸線の特急「サンダーバード」の車内で女性が暴行されるという事件がありました。事件当時、車内には約40名の乗客がいたにも関わらず、犯人を制止するような行動を誰一人とらなかったと報道され、話題になりました。これと非常によく似た事例が本書でも紹介されています。ニューヨークで38人の人間が、一人の女性が殺されるのを傍観していたというショッキングなものです。なぜ、誰も助けに入ったり、警察に通報したりしなかったのか。その答えのひとつが本書にあります。
また、わたしたち自身が被害者となったとき、どうすれば助けを得られるかについても述べられています。
たとえば、もし、あなたが不意に心臓の異変に襲われた場合は、
(1)倒れたり、呻いたりしているだけでは不十分。まだ意識があるうちに「助けて」とはっきり言葉に出す。
(2)たくさんの人がいても安心せず、特定の誰かを選ぶ。そのとき、具体的な内容も指示する。「そこのブルーのジャケットを着ている方、助けて下さい。救急車を呼んで下さい」

妊娠している方や持病をもっている方も、電車内で具合が悪くなったら冷や汗をかきながら我慢していつ気づくか知れない他人の好意「大丈夫ですか? どこか具合が悪いんですか? 座りますか? 車掌を呼びますか?」などアテにせず、すぐ具体的な行動をとるべきです。恥ずかしがったり、遠慮したりしては絶対にいけません。現代人は冷淡だといわれますが、目前に困っている人、苦しんでいる人がいるのを無視するようなことはまずありません。だから安心して助けを求めてください。
…って、だんだん本の内容から外れてしまった。

騙されやすい方、また販売、営業に携わる方は必読。詐欺等の犯罪に関わる方は読まないで下さい。なお、訳文は非常に読みやすかったです。
社会行動研究会 訳(誠信書房)

4414302692影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ 社会行動研究会
誠信書房 1991-09

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