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zoom RSS 『脳が冴える15の習慣』 築山節

<<   作成日時 : 2007/09/13 03:02   >>

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さいきん集中力の低下や、些細なことの度忘れがちょっと(本当にちょっとだけですが)気になっていたので手にとった。加えて、いまぽつぽつ脳に関した本を読んでもいる。脳について知るのは本当におもしろいので。

著者は脳神経外科の医師。本書の帯にはこうある。「仕事ができる脳、若々しい脳をとり戻す生活改善マニュアル」。「脳トレ」がブームとなって久しいが、トレーニングとまでいかなくても生活のなかの基本的なことを改善するだけで、少しくらいの脳の衰えは回復できると著者は書いている(「脳トレ」が否定されているわけではない)。この本のなかで提案されている習慣は「時間的にも経済的にも負担にならない」「脳に良い影響を与えられるだけでなく、人生がより豊かになる」の二つの条件を満たすものばかり。忙しく、また疲れてもいる現代人にとってはとくに前者の条件を満たしているのはありがたい。読了後、さっそく本書のうちのいくつかの習慣を日常のなかに取り入れてみた。現時点では目に見える効果はなし。即効性があるとは思っていないし、とくに不都合もないので続けてみる気でいる。
以下は内容の要約。


習慣1 生活のリズムを整える
脳の活動を安定させるには生活の原点をつくることが大事。朝は一定の時間に起きるようにする。起きたあとは足・手・口を使った脳のウォーミングアップをするとよい(散歩・料理・音読など)。

習慣2 仕事はタイムリミットを決めて取り組む
脳の基本回転数(集中力)は「何時までにコレとコレを終らせる」のような時間の制約がある場合に上がる。逆に、一日かけて仕事をしよう、終らなければ残業や自宅に持ち帰ろう、みたいな考え方では終るものも終らなくなる。私生活を削って仕事に一日かけてもいい、という考え方は脳の性質上効率が悪い。私生活を大事にすることが結果として仕事の効率アップにもつながる。

習慣3 睡眠はしっかり取る
寝ている間に記憶は整理されるので、しっかりと睡眠をとることが大切。寝ている間も脳は完全に休止しているわけではなく働き続けている。

習慣4 家事や雑用に積極的に取り組む
情報処理を担当する前頭葉を鍛えるのに家事や雑用などをこなすことは効果的。部屋の片付けや料理の手順を考えることは脳のトレーニングになる(前頭葉機能が低下している人は必要なものまで捨ててしまうなど片付けができなくなる)。また若いころから雑用をこなしていると面倒くささに耐える力=脳の基礎体力が鍛えられ、脳がタフになり、考え続ける力が上がる。

習慣5 一日の行動予定表をつくり、あとでチェックする
行動予定表は時間の制約を意識させる(習慣2)と同時に、表のとおりの行動ができた場合には満足感が生じ、意欲の向上につながる。行動できなかった場合はなぜそうだったのか考える機会になる。頭のなかだけでなく書くことによって現在の自分の状況が明確になり反省しやすくなる。

習慣6 忙しいときほどモノを整理する
これはわたしも以前からやっている。忙しいときはとにかく最初にある程度でいいから片付ける順番を決めて整理しておく。忙しいときはすぐにでも仕事に取り掛かりたくなるが、あとの混乱を考えるとスタートが少しくらい遅れてもはじめにざっと整理しておいたほうがトラブルなく仕事に集中できる。「机の整理は優秀な上司をもつことと同じ」という著者の言葉には深く深く頷いた。

習慣7 意識して目を動かす
テレビやパソコンなどの平面のモニターは人間の脳機能を衰えさせる。仕事の合間に窓から外を見たり散歩をしたりするなど目をはじめ五感を働かせることは脳にとってよい。

習慣8 脳の入力→情報処理→出力を確認する
見た情報、聞いた情報をすぐ忘れてしまうというのは情報を意識して入力していないからかもしれない。あとで報告書やブログなどにまとめて、人に伝えることを意識して情報を得るようにする。ブログなら、「どうすれば人にわかりやすく伝わるか」を意識すると、体験の記憶がより整理されより深く解釈されるようになる。
これはブロガーのはしくれとして考えさせられる。わたしも本の感想を書くとき、「どうしたら未読のかたでも内容がイメージできるか。興味をもってもらえるか」を考えて書くようにしている(つもり)なので。ときには逆に「どうしたらネタバレせずに書けるか」と考えるときもあるが。

習慣9 メモや写真を用意し、長い話を組み立ててみる
長い話を組み立てるというのは脳トレになる。長年連れ添った夫婦の「おい、あれ」「はい」みたいな会話は脳を衰えさせる? 

習慣10 たとえ話を用いて話をふくらませる
習慣9の続き。話が通じないのは相手のせいと考えない。自分の表現力に問題があるのかもしれない。専門用語を使わず、たとえ話を多用して話をふくらませてみる。たとえ話は情報を解釈し、自分なりに関連づけ、さらに相手にわかるように噛み砕くという高度な脳の使い方になる。だから、たとえ話を日常的に用いている人は語彙や記憶の豊富な人。

習慣11 生活習慣病に気をつける
脳に限らず健康のために、いまさら言われるまでもないことですね…。

習慣12 定期的にMR検査を受ける
脳の病気を早期発見するためにも画像検査は受けるべき。画像検査では自分が脳のどこをよく使っているか、鍛えられているかもわかるそうなのでそれを知るために受けてみるのもおもしろそう。

習慣13 「失敗ノート」を書く
自分の失敗を反省する機会をもつ。大きな失敗は小さな失敗の積み重ねから生じることが多い。まずは小さな失敗の分析から。失敗をしやすい時間帯も記録するとよいのは、脳のバイオリズムを知る上で好都合だから。その時間帯は休憩したり、失敗しやすい時間帯だと意識して仕事をするようにする。また、人から受けた失敗の指摘には謙虚に耳を傾ける。自分ではわからなくても周囲が気づいている場合もあるから。

習慣14 マルチな活動をする
創造性は仕事だけをやっていては生まれにくくなるときもくる。クリエイティブな能力を高めるために大切なのは「何にでも興味をもってやってみること」「人生を楽しもうとすること」。いろいろなことに興味をもち、参加して、交友関係を広げることで創造性も磨かれる。

習慣15 意欲を高める
意欲は脳のブレーキにもアクセルにもなる。自分の行動を評価してくれる他者(同僚や上司や家族など)の存在によって意欲はアップする。もちろん誉められるだけでなく、ときには叱責されたり激励されたりすることも必要。しかし叱られてばかり、あるいは叱られすらしない環境にいると脳は意欲を失って止まってしまう。まずは小さな成果をみとめて誉めることからはじめる。他人を好意的に評価することは自分が好意的に評価されやすい環境をつくることにもなる。


以上、だいぶ大雑把に本書の内容を要約してみた。習慣8の「脳の入力→情報処理→出力」を意識しながら。少しはいま本記事をお読みのあなたにわかりやすく伝わったでしょうか。伝わっていたら、いいなあ。

さいきん話や文章がすらすら頭に入ってこないなあとか、物忘れが多くなったなあとか、集中力が持続しないなあと気になっているかたはお読みになってもよいかと思います。脳を使うというと頭のなかで考えること、とついイメージしがちだけれど、実際には手や目や口などを使うことなのだとよく分かります。

4140882026脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
築山 節
日本放送出版協会 2006-11

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脳が冴える15の習慣(書評)
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)を読む。 15も習慣はちょっと多いか?いやいや本書はホントに簡単なんです。 ...続きを見る
blog50-1
2007/09/27 00:19

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おお。まるで私のために書いてくださったような記事…。ありがとうございます。
もともと記憶力が良くはなかったのですが、ここ数年衰えが激しくて「なんかまずいまずい」という気持ちだけが肥大化しているような状態です。衰えは感じていても何をどうしたらいいのかわからなくて。

でもここに書いてあることを読むと、案外いつも意識せずにやっているようなことも脳には良かったんだなぁと知ることができました。アウトプットすることとかメモをとることとか人生を楽しむこととか。

この間epiさんがコメントに書いてくださったのは、こういうことだったのですね。私もぜひ読んでみたいと思います。
りつこ
2007/09/14 09:51
>りつこさん

子どものころから記憶するのが得意な人っていましたよね。自分もわりとそっちだったのですが、たぶんその人なりの「覚え方」のコツみたいなものがあるんです。語呂とか。記憶力自体に個人差ってあるのかは疑問です。

>「なんかまずいまずい」
りつこさんは危機感をもつような年齢ではまだないでしょう(^^)でも、テレビの健康番組などを見ると不安を煽られますよね。でも、一時期話題になった「ゲーム脳」なんて今では批判されていますからどこまでメディアが信頼できるのか、これはメディア・リテラシーの問題になりますね。
要は頭だけでなく身体を使うこと、自然と接することが脳にもいいみたいですよ。あと人と接すること。

「人生を楽しむ」がりつこさんはできていますか。いいなあ。わたしは…う〜ん、どうなんだろう。イマイチできてないような…? 脳の健康より健全な人生を送ることのほうにもっと気を向けないと。とほほ。
epi
2007/09/15 02:28

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