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zoom RSS 『年をとったワニの話』 レオポルド・ショヴォー

<<   作成日時 : 2009/04/20 00:00   >>

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「ショヴォー氏とルノー君のお話集」の1巻。

「お話集」はショヴォーが、息子のルノーに語って聞かせたお話を文章化し、自ら描いた絵を添えた17の作品を完訳紹介するシリーズ。本書には、山本夏彦訳が有名な表題作のほか、「ノコギリザメとトンカチザメの話」「メンドリとアヒルの話」「おとなしいカメの話」を収録。

即興で作られた話だからか、どれもナンセンスでシュールですらある。表題作は、何千年も生きたエジプトのワニがリューマチになって捕食できなくなり、腹が減ったので孫のワニを食ってしまう。このため一族から追放され、ナイルを下って海に出ると、12本の足をもつタコと出会う。タコはワニのために魚を捕まえてくれる。ワニはこのタコに恋をするのだが、あんまり旨そうなのでこのタコを食ってしまう。食ったあとで嘆き悲しむ。

いのちはいのちを食らって生きている。そのことのうちに存在の悲しみがある。ショヴォーのこの話も、そうした悲しみを扱っているようにも思えるが、それにしてもこの苦いユーモア精神はどうだろう。ワニのなかにはタコに対する二種類の愛があった。タコの性質に対する愛と、タコの肉がかきたてる愛と。そして後者の誘惑に抗えなくなったというわけだ。

ナンセンスなのは、主人公である動物たちがあっさり死んでしまって、死んだからという理由でお話が終わる点にも感じる。「メンドリとアヒルの話」など、ユーモラスに間引きを扱っていて、妙な怖さ、得体の知れなさを覚える。もっとも、お話がときに残酷だといっても、人間世界の残酷さには及ばないのだけれども。管理人には、ハッピーエンドで終わる「おとなしいカメの話」がもっとも好ましかった。


4834019004年をとったワニの話―ショヴォー氏とルノー君のお話集〈1〉 (福音館文庫)
L´eopold Chauveau 出口 裕弘
福音館書店 2002-11

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