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zoom RSS 『霧のむこうのふしぎな町』 柏葉幸子

<<   作成日時 : 2009/05/07 00:00   >>

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霧のたちこめる森を抜けると、不思議な町だった。

夏休み。小学六年生のリナは、父親に薦められて、ひとり霧の谷と呼ばれる町を目指す。東京と仙台で二回電車を乗り換え、父親にいわれた町で下車した彼女が着いたのはごく普通の田舎の町だったが、地図を頼りに進み森のなかへ踏み込むと、すぐに濃い霧がたちこめ、やがてヨーロッパの小さな町のような霧の谷の町に立っている自分に気がつく。

この霧の谷の住人たちはみな魔法使いの子孫だという。彼らはそれぞれが店を開いていて、リナは身を置く下宿のピコット婆さんに、自分のくいぶちは自分でかせぐよういわれて、これらの店で働くことになる。ときにファンタジックな事件が起こり、リナは戸惑いながらもこれに対していくだろう。古本屋、船具商、菓子屋、骨董屋、おもちゃ屋…霧の谷にある店はどれも夢のある店ばかりで、子どものころ、一人では入ることができずに外から眺めてはここはこういう店なんだろうなあと空想した気持を思い出させずにはおかない。そこで働く人たちがまた個性的だ。

リナの霧の谷の滞在はあっという間に過ぎてしまう。けれども、この町にはどこからでも通じているようだ。本を開けばまたみんな戻ってくる、とはジーン・ウルフの短編の一節。彼女は再びこの町を訪れるのだろう。終わり近くの住人たちのやさしさがよい。

本書は、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』に影響を与えた作品という。少女が働くことを通じて人と交流を深める、成長していくという過程にはなるほど共通するものがある。


管理人が読んだのは旧版だが、現在はこちらの新装版が出ている。
4061486683霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
杉田 比呂美
講談社 2004-12-16

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宮崎作品は甲乙つけがたいが、主題歌では『千と千尋』がいちばんすきだ。面白い動画があったので貼っておく。ヴォーカロイドってここまでできるのか…。


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