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zoom RSS 『文体練習』 レーモン・クノー

<<   作成日時 : 2010/02/05 00:00   >>

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ひとつの出来事を99通り(+3)の文章で表現する。

まず冒頭で、本書の主題である文体練習の材料が提示される。一人の奇妙ななりをした若者がバスのなかにいたこと、その若者が数時間後にローマ広場にいたこと、要約するとこうなるこの些細な情景が、いくつもの表現によってそれぞれ異なる印象を読者に与えるだろう。表現形式は自由奔放で、物語形式であったり、会話であったり、詩であったり、戯曲であったり、アナグラムであったり、隠喩であったり。かなり奇抜な、実験のための実験の感が強い練習も多々あるが、それにしても本書で示される言葉の氾濫は素直に笑える。著者は相当に苦労しただろうと思われるが、これを日本語に翻訳した訳者の努力も凄い。訳者あとがきによると当然ながら翻訳は不可能な箇所もあったということで、それらの部分は訳者の判断によって日本語向けに変更されている。著者による文体練習のルールに則って、訳者が訳者自身の文体を創出している。こうなると本書のどこまでがクノーによるもので、どこからが朝比奈氏によるものなのか、その線引きをすることはほとんど不可能に思える。

本書にあるのは「言葉、言葉、言葉」。
ユニークな試みによって作られた言葉の迷路に迷いこんで、文章による表現とは何だろうとときに途方に暮れる。

装丁、レイアウトともに洒落ている。

4255960291文体練習
Raymond Queneau
朝日出版社 1996-11

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