epi の十年千冊。

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<<   作成日時 : 2012/05/15 00:00   >>

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管理人の都合により、ブログの更新をしばらく停止します。

数字をタイトルにしているブログでありながら、半ばで止すのは抵抗があり、かなり迷ったのですが、諸般の事情により決めました。約6年間、閲覧してくださった方、コメントやトラックバックをくださった方へお礼申し上げます。

半年後か、一年後か、それより早くか遅くか、いまの時点ではわかりませんが、いずれ再開するつもりですが、つもりのまま終わるかもしれないのでお知らせすることにしました。

読書は管理人には楽しみであり、慰めであり、学びです。限られた時間を費やして、何かを得たり、何も得なかったりしてきました。物語のファンです。そうして物語は、生きる希望を与えてくれるものを好みます。

読書は情報を得ることが目的でしょうか。そう思った時期もありましたが、いまの気持としては情報に還元されないような、取りこぼされるような時間にこそ読書の醍醐味があるように思います。知識の多い物知りになることにはあまり関心がありません。だから文芸が好きです。文芸は実用的な知識を得ることから離れているのに、離れているからこそもっとも実用的です。

このブログはもともと、ある方のブログに触発されて開始しました(いまはそのブログはありません)。その後は、自分自身が若いころ、まだインターネットがこんな身近でなかったころ、もしこんな情報が得られたらよかっただろうなあと、どこにもいない少年の自分へ向ける心で更新してきました。その少年を、いないとわかっていながらいつも探しています。本の頁のあいだに、もしかしたらいるのかもしれないと期待するのはいつまでも止せないでしょう。

せっかくなので管理人にとって思い出深い本を挙げます。これはおすすめの本のリストではありません。管理人は誰にもおすすめはしません。個人的に大切に読んできた本たちです。ときに勇気を、ときに慰めを、ときに激励を与えてくれた本たちです。幾度も幾度も読んでいる本たちです。(他人に推薦するのなら、幾度もその本を読んでいる、というのはあるいは最低条件でしょうか)。



◆マルクス・アウレーリウス『自省録』
4003361016自省録 (岩波文庫)
マルクスアウレーリウス 神谷 美恵子
岩波書店 2007-02-16

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枕頭の書です。



◆ロラン・バルト『恋愛のディスクール』
4622004828恋愛のディスクール・断章
ロラン・バルト 三好 郁朗
みすず書房 1980-01

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以前ほど恋愛に悩まなくなってきた自分を悩みに戻してくれます。



◆西脇順三郎『Ambarvalia/旅人かへらず』
4061963090Ambarvalia/旅人かへらず (講談社文芸文庫)
西脇 順三郎
講談社 1995-02-06

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もっとも好きな詩人です。読んでいると胸が締め付けられます。以前は「旅人かへらず」の枯淡の境地が好きでしたが、いまは「Ambarvalia」の眩さを好みます。



◆アルチュール・ランボー『地獄の季節』
4003255216地獄の季節 (岩波文庫)
ランボオ J.N.A. Rimbaud
岩波書店 1970-09

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激しいのです。元気が出ます。本を読めなくなる時期が定期的に来るのですが、そういうときでも詩だけは読めます。というか詩しか読む気になりません。



◆坂口安吾『堕落論』
4101024022堕落論 (新潮文庫)
坂口 安吾
新潮社 2000-06

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これも元気が出ます。



◆J・M・G・ル・クレジオ『地上の見知らぬ少年』
4309205356地上の見知らぬ少年
J・M・G・ル・クレジオ 鈴木 雅生
河出書房新社 2010-03-18

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読んでいて気持がいい本です。いつまでも読んでいたくなります。



◆フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
4102010106カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)
ドストエフスキー 原 卓也
新潮社 1978-07

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ベタすぎて挙げたくないのですが、そうすると偽りになるので挙げます。この小説を読まなければ、いまの自分はいなかった。それがよかったのか、悪かったのか。最近は米川訳を好ましく思いますが、はじめて読んだのはこの訳でした。



◆マルセル・プルースト『失われた時を求めて』
4081440018スワン家の方へ 1 失われた時を求めて(1) 第1篇 (失われた時を求めて)
マルセル・マルセル・プルースト マルセル・プルースト 鈴木 道彦
集英社 1996-09-20

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失恋に苦しんでいるとき、紀伊国屋書店新宿南店のちくま文庫の棚のまえで綺麗な娘さんが、井上訳の「花咲く乙女たちのかげに」を立ち読みしているのを見たのが出会いでした。それまでこの作家も作品も知りませんでした。第五篇、第六篇が思い出深いです。あの娘さんも失恋していたのかもしれません。



◆ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』
4915841510終わりと始まり
ヴィスワヴァ・シンボルスカ 沼野 充義
未知谷 1997-06

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この本を鞄に入れて歩いていた池袋の夜を忘れられません。とても大事な一夜でした。


キリよく10冊、と思ったのに無理でした。好きな本はもう少しだけありますが、大事な本は以上の9冊です。この9冊が本棚にあればそれで十分と思っています――実際はそうなっていないのですが。人が生きていくうえで知らなくてはいけないことなど、そう多くはないでしょう。本もまた、必要な数はそう多くはないでしょう。けれどもその少ない数を知るためにはある程度の数を経なくてはいけない、というジレンマに、さびしいようななつかしいような気持になります。その数を経るのは、若い時分にはじめればはじめるほどよいと思います。本を読むのには体力が要ります。若いころは読書家だったが、年をとってからは殆ど本を読まなくなったという人が多いのは、時間や感性の問題というよりも単純に体力の衰えが原因ではないでしょうか。作家の書くという仕事も、きっと体力勝負なのではないかと思っています。

長くなりましたが、ひとまずこれで区切りとします。
ありがとうございました。



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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
いつもブログを見て、更新を楽しみにしていたファンの一人です。このブログが、アレクサンドリア四重奏という素晴らしい本に出会うきっかけとなりました。その他の記事も充実していて私の読書体験をさらに豊かにしてくれました。本当に感謝しています。お疲れ様でした。またの機会をお待ちしています。
reclam
2012/05/16 09:41
>reclamさん

はじめまして。
とても嬉しいコメントをどうもありがとうございます。
こちらこそ、読んでいただき感謝します。
ちょっと状況的にブログに割く時間を捻出できなくなったのが休止の理由なので、また落ち着いたら再開するつもりです。そのとき、また読んでいただけたら嬉しいです。
epi
2012/05/16 12:37
このブログ、私も更新を楽しみにしておりました。どの本のレビューも引用もしてとても丁寧に書かれていて、自分もこんな本読みになれたらとうらやんでいました(お世辞ではなく)。今までたくさん勉強させてもらったし楽しませてもらいました。今回の休止は残念ですが、気が向かれたらまた同じ名前で再開して頂くことを願っています。
ひらり
2012/05/16 22:17
まずはお疲れ様でした。
自分はこのページでの書評を楽しみにしていました。
洞察が深くかつ読まれてる本が多岐に渡り、非常に勉強になりました。
諸事情が落ち着いたらまたこちらに戻ってこられることを願っています。
mucha_de
2012/05/17 00:22
>ひらりさん

コメントありがとうございます。
もったいないお言葉です、本当に。
なるべく色々なことを書こうとすると、どうしても時間がかかってしまうのが難でした。いずれ再開しましたら、また来ていただけますととても嬉しいです。
epi
2012/05/17 19:28
>mucha_deさん

コメントありがとうございます。
開設当初はこんなに長く続くと思っていなかったのですが、気づくとそれなりの時間が経過していました。生活の一部のようになっていたので、少し寂しい気持もあります。いずれ改めて、宜しくお願いいたします。
epi
2012/05/17 19:33
epiさん、お久しぶりです。
いつも楽しみに読んでおりましたしたので、休止のお知らせ寂しいです。
でも私の持論で、一度書く愉しみを知った人は必ず帰ってきてくれるというのがあるので、再会できる日を楽しみに待っております。

りつこ
URL
2012/05/18 12:32
>りつこさん

こちらこそご無沙汰しております。
そう、書くことはいいストレス発散になりますね。また時間を作って続けたいと思います。あたたかいコメント、ありがとうございます。
epi
2012/05/18 18:12
epiさんの選ばれる本は教養主義の伝統を踏まえつつ今を生きる人間の心情に裏打ちされ、きめ細かい感想には繊細な人柄がしのばれ、新しい記事が出る度にドキドキしていました。休止は残念ですが、またいつか再開して下さいね。
Bianca
URL
2012/05/30 06:43
>Biancaさん

人はだんだんと好みが伝統的なものに帰っていくのでしょうか、あまり意識していないつもりでしたが、いつからか選択が現代から過去へと向かうようになっていきました。時間経過の洗礼を受けたものには深い意味があるのでしょうね。たびたび頂くコメントは継続の励みでした。ありがとうございました。
epi
2012/05/31 19:55
epiさん、お久しぶりです。
私も楽しみに読ませていただいていた一人です。自分の読書を案内して下さる方としても頼りにさせていただいておりました。
休止のお知らせは寂しいですが、これまでの書かれたレビューは時ごとにこれからも読ませていただきますね。
自分が読んだ後、epiさんはどうかいてらっしゃるかな・・とかも楽しみでした。「あっそうなんだ。そういうことか」とかすごく納得したり。

またいつか書かれるのを楽しみしつつ、どうぞお身体大切になさって下さいね。
ワルツ
URL
2012/06/02 09:46
>ワルツさん

ご無沙汰しております。
過分なお言葉です。恐縮してしまいます。
ワルツさんにはじめて言葉をかけていただいてからもう何年も経つのかと思うと、不思議な気持になります。ついこの間のよう。過ぎてしまうと本当に時間は早いですね。

ワルツさんも、どうぞお身体を大事になさってくださいね。
コメントをありがとうございました。
epi
2012/06/05 00:11
通りすがりです。。プルーストの検索からこちらにきました。
丁寧な書評にとても感銘を受けました。
まだまだ小娘の私で、ご紹介なさっている本は雲の上のもの
ばかりですが、一づつ読み進めようと思っていたところの
休止のお知らせ。寂しいですね。ご事情がおありでしょうが、
再開を心待ちにしています。
最後に、「おすすめ」ではなくて「思い出の本」というのも
とても共感しました。なんて本に対して誠実でたんなる知識
好きとは明らかに違うんだと思いました。
私は最近ここに来たばかりなので、これから過去の記事をじ
っくり読ませていただきます。
ありがとうごました。
whiteangel
2012/06/06 15:23
>whiteangelさん

はじめまして。
プルーストはよいですね。一生付きあっていきたい作家の一人です。

考えすぎなのかもしれませんが、本に限らず、不特定多数の方に安易に推薦することには躊躇があります。様々な種類のガイドブックがすでに巷にいくらでもあり、それに倣えばある程度の満足が得られますし、わたしが並べたとしても似たものになるでしょうからあまり意味も面白味もないと思うのです。もちろん、おすすめを述べているブログはそれはそれでよいものと思っています。いろいろな考えがあって構わないでしょう。

このブログが何らかのかたちでwhiteangelさんのお役に立てれば本当に嬉しく思います。コメントをありがとうございました。
epi
2012/06/07 18:45

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